第1回 ビックリGunの宝庫!「忍者部隊月光」

/最近CS放送で昔の古いTVドラマなんかやってるんですけど、 最近再放送の始まった「忍者部隊月光」は昔の記憶が全然無く、 第一話を見たらいきなりぶっ飛びシーンの満載で驚きました。 忍者部隊のとーちゃんあれって確か昭和39年の作品なのに銃器類がかなり凝っていて、 当時良く使われた俗に言う「日活コルト」の類ではなく、冒頭でいきなりベルグマンが出てくるシーンには驚いたのなんの南野陽子。しかもちゃんとフルオートブローバックして排莢している!以前「ポパイ」(81年頃の)誌上の 「史上最強のコレクション特集」において、モデルガンコレクターが試作のみの1丁しか存在しないというMGC社製ベルグマンを所持していたが、このシーンで使用されていたのはその銃ではないかと思われます。このベルグマン、照星、照門の前後照準器が保護枠付き照準器になっていて、オリジナルの量産品より豪華になっています。本物の量産品はもっと簡易なんですけどね。照準器は色々調べたんですがイギリスのパチェットサブマシンガンに似ていて、その後MGCでスターリングがモデル化されたので、多少の手直しで流用された可能性があるのでは?他にも銃身下部に100式の着剣装置のようなパイプがあるようです。当時はなかなか実銃の資料が手に入らなかったり材質の制限から完全に実銃どおりには行かなかったのかもしれません。あるいは本物のベルクマンの初期、もしくは試作品が元なのかも。他の銃器類では、はっきりしないのですが、MP-40やM-3のようなマガジンがフォアグリップを 兼ねる型のサブマシンガンが1カットだけ出てくるのですが、画面が暗すぎてスロー再生でも分かりませんでした。(映画版「忍者部隊月光」ではおなじみ、フラッシュハイダーに見せかけた発火器をつけたM3が出てきますけど、エジェクシ ョン・カバーくらい開けておいてよね) 忍者部隊の武器庫シーンで旧南部14P-08の8inモデル、S&W-M36 (まあ俗に言うチーフですな)のほか、MGCの初期製品のコルトオートマティックブローバックモデル(正確な商品名忘れたけど)という なんかコルトオートマティックというより昔のCMCのラーマに似た感じのモデルガンがガンラックにかかっているところはガンマニア にはたまりません!敵基地での撃ち合いではちゃんとブローバ ックさせてます、薬莢あんまり飛ばないけど。初めは忍者部隊のメンバーが標準装備しているMGCのPPKかと思われたのですが、ビデオを繰り返しチェックしていると、コルトオートマティック風シルエットであること、MGCの初期製品にコルトオートマティック風ブローバックモデルガンが存在したことから、多分その銃かと思われます。撮影用にブローバックできるプロッブ作るより市販のモデルガン使ったほうが早いでしょ。ちなみに旧南部はともかくP-08も中田製?トリガーを見れば一目瞭然なのですが、うっかりビデオを消してしまい、今では確認できません。どなたかご教授いただけたらと思います。

しかしもっと驚きなのはガンラック、ハンドガンの下にあるライフルがGew.41!、なんで! 凄すぎ!この作品タイトルテロップに協力日本MGC協会って出てるんで、あのMGCが一枚噛んでいるから銃器考証もかなり面白くなっているんでしょうね。ただあのGew.41ってMGCでしょうか?私は実は中田の無稼動モデルだと思うのですが。当時中田商店では俗に言う“長物” (ライフルなどのモデルガン)で機関部などの内部は無い、今のデコ・ バッフェン見たいな感じの物が販売されていました。 前後編の後半では実物のM-24チャフィーが脱出する主人公達の行く手を塞ぎ、 (他の映画の流用シーンみたいだけど) 主人公の手榴弾で破壊されるシーンでは砲塔のブラウニングM-2がくっ きり爆煙のシルエットに浮かびます。

第2話では敵の武器庫のシーンでG3ライフルが!?まてよ、第1話でも シルエットではっきりしなかったけど出ていたかな?果たしてあの当時G3を何人の日本人が確認できたか…しかも子供番組だし。 でもこの第2話での悪役、睦吾郎が使ったコルトオフィシャル風リボルバーはひどい出来だったなあ、まさにステージガン。ところで、オープニングで三日月が敵兵を射殺するお馴染み「拳銃は最後の武器だ!」の拳銃ですが、以前懐かしのTV番組特集(TV探偵団?)では、はっきりとブラウニングM1910と確認して、「よっしゃ!ブラウニングや!」と思ったのですが、今のCS再放送版だとフィルムの劣化の所為か、はっきりと見えないので自信がなくなってしまいました。CSで古い作品を放送する時はありがちなのですが、古い作品ほど劣化がひどく、最近CSで放送中の、私が見ているものでは、「まぼろし探偵」(59’)と「ガッチャマン」(72’)のフィルムの痛みはかなりひどく、「まぼろし探偵」はともかく、「ガッチャマン」はマスター用意できないのかな〜、と思ってしまいます。他にはくろがねゆう氏曰く「こん棒みたい」なM-1カーヴァインのステージガンや中山"キリヤマ隊長"昭二率いるあけぼの機関のエージェントがちゃんとトリガーから指を離してモーゼル1916を磨いているシーンとか、挙げればきりが無いガンマニア泣かせの作品です。ありがちな、主人公は小型の拳銃、敵はデカイ拳銃といった住み分けもきちんと出来ていて、これ以降敵は殆どこのモーゼルを使用しております。

しかしこれでもっと話が面白ければ (笑)…、任務に失敗していきなり仲間(月明、演じるは広川太一郎さんらしい!)が自決しちゃうとか、そのくせ一緒にいる女性隊員三日月はなぜか自分は自決しないで他の人質に仲間が自決した訳を説明してるとかヘンなシーンが満載で、これはこれで凄いミドコロかも知れませんが(笑)。でも三日月役の森槇子ってとても美人でステキです。

「忍者部隊月光」制作 国際放映 原作 吉田竜夫 出演 水木襄 山口暁他 フジテレビ系放映(1964 1/3〜1966 3/31) (2001年現在スカイパーフェクTV キッズチャンネル Ch276にて再放送中)

PS:子供のころにあまり積極的に見なかったのは、たぶん「前後編」に分かれていたから、メンドクサくて見なかったんでしょうね。

(上記の文章は私が友人のWebへ投稿した文章を加筆修正し、再録したものです)


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